ピアノ演奏|脱力がよく分かりません。どういうこと?

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70代男性からのご質問
Q.ピアノには脱力が必要だとよく言われます。でも、力を入れないで、
  どうしてあんな明瞭な、力強い音が出るのでしょうか。

  日常生活で考えてみました。まりつき、ラーメンにコショウをふりかける、
  体温を計ったあと、体温計をふりおろす、ノックする、手にとまった蚊を叩く、
  ジャンケンポンとふりおろす、 はたきをかける、干したふとんを棒でたたく

  --そんな例が、余分な力は入れないが、強い力が出ている例として思いつきました。

  ピアノの「脱力していても、必要な力が働き明瞭なタッチができる」というのは、
  こうした動作と何か関連があります
  (そういう動作がピアノ演奏の参考になりますか)。

 

A.

私はこのご質問を拝見して、なんて良くお考えなのでしょう!と感激しました。

日常で考えてみられたというのがまたユニークで分かりやすい。

まりつきは、私も子どものレッスンでスタッカートの指導の時に、

「鍵盤の底までキチンと指を沈めてね。
  そして底でボールが地面にあたってポーンと弾むように!」

と言ったりします。
余分な力は入れないが、強い力が出ている、ということは

「本来の腕、身体の重みを、自然な形で鍵盤にのせる」

ということではないでしょうか。
ラーメンにコショウ、体温計を振り下ろす、というあたりは
反動を使うという目的がありそうなので、重みをのせるというのとは
様子が変わってくるかもしれませんが、

瞬発力といいますか、一瞬の脱力をしないと反動も使えない、
ということになりそうです。
しかし、力を抜くことほど難しいものはない!
私達は日々、いつも力を入れて生活しています。

実際の動作(パソコンに向かうなどはかなり力が入っていると思います。)
もそうですが、緊張すると肩に力が入る、寒いと背中に力が入って丸くなる、
など普段の生活の中でも身体のどこかは緊張状態にあると思います。

バレエのお稽古でも「肩の力抜いて!」とよく言われます。

自分では抜いているつもりでも、まだまだで、
先生のおっしゃる通りにしてみると
フッと軽くなったり、鏡に映る姿が急に変わったりします。
ピアノも同じ。

自分の意識を肩甲骨のあたりにおいて、肩甲骨から背中、
僧帽筋という広く大きな筋肉をリラックスさせる。

そのために肩を回す、肩の上げ下げもいいです。

そして自分の腕の重みを少し意識しましょう。

二の腕あたりからぶらーんと、肩からただぶらさがっているような意識で。

このまま、鍵盤に手を置き、あとは同じく肩甲骨からが腕だと思って、
腕全体で鍵盤に重さを乗せます。

あとはその重さを支えられるだけの指先、
強い指先で受けとめてみましょう。
案外、いつもは力任せに小手先だけのタッチに
なっていたことに気づくかもしれません。
人間が一番脱力出来ている状態、それはもしかしたら
睡眠中のみかもしれませんね。

力を抜くことと力を込めること。

これは相反する動作ですが、抜くからこそ込めることができるわけで、
どちらかの動作なくしてはできないのでは、と思います。
空っぽと満タン。

満タンにこれ以上注いでもこぼれるだけです。

ジャンプと着地。

ジャンプのためには力をためて、そしてジャンプでいっぱい
伸びきったら、その力を受け止めないと大変なことになります。
押してもだめなら引いてみな。

これはちょっと違う???

…冗談はさておき。

脱力によって得られるピアノのタッチ、それは一度ゼロの状態にして、
そこから100%の重みを確実に鍵盤に乗せる、掛けることができるタッチ。

そして、そこから奏でられる音楽は、
一つ一つの音が芯のある美しい音です。

音のつぶもそろって、流れるような音楽になっているでしょう。

そこからいろんな感情をのせていくことは、心のお話になりますが
きっとイメージを持つことでかなり表現の幅が広がると思います。

ピアノの表現力は無限大、弾く人、タッチでいくらでも変わってきます。

同じ曲を弾いても20代と50代の演奏は違う、そんな微妙な表現の違いに
きちんと答えてくれます。

だからこそ楽しいし、さらにいい演奏をしたくなります。

自分の身体と会話する気持ちで、使い方を考えながら、
そしていい音でいい表現で、ピアノを楽しんでくださいね♪


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