総評

審査員代表 高崎勉

審査員代表
高崎勉

今年もたくさんのご応募ありがとうございました。

2018年度のテーマは「あなたが思う平成の 人、物、景色」。
元号が変わる最後の年に「平成」という時代と「あなたの人生」を重ね合わせて振り返っていただけたらと思いましたが、いかがだったでしょうか。

写真に限らず芸術作品にとって大切なのは「時代性」です。「平成」というキーワードのもと、応募者みなさんにとっての「今」を感じさせる作品がたくさん集まりました。

昨年の受賞作品に組写真がなかったためか、単写真の応募が多かったようです。
ですが、今回は組写真の中からも入賞作品が選ばれました。

総じて感じたのはタイトルのつけ方が未熟だということです。カメラ機材の発達により、誰もが目の前のシャッターチャンスを捉えることが可能になりましたが、何を感じ、考え、何を伝えたくてシャッターを切ったのかということが、タイトルと写真とが結びついて感じさせなければなりませんが、それが乖離している作品が多く見られました。
写真だけではなく、絵画や彫刻、現代アートなど、様々な芸術を普段から鑑賞すると参考になるかもしれません。

ご紹介できるのが僅か一握りの作品であることは残念ですが、受賞作の選評を公開いたします。

若松 準
「絶叫少女」

若松 準
「絶叫少女」

高崎勉 講評

「どういう状況で、どこから撮ったんだろう?」っていう不思議さも手伝って、面白い仕上がりになっています。
まず、構図がいいですね。手前の部分に茶色い土の部分があり、その上に緑が広がっている。似たような背丈の子供たちがその境界線に一直線に並んで、ほとんどの子が左端の子が手にしている大根に気を取られているのに、一人の少女が絶叫して何かを訴えている。
シャッターを切ったタイミングもいいですね。良くぞ撮った!という一枚です。一体何が起きたんだろう?それがタイトルになっていてもよかったかもしれませんね。帽子を被っていないおかげでこの子の表情もよく伝わってきます。

子供たちが着ている体操着は現代の僕らには普通に見えますが、数十年してこの写真を見たら、「平成ってこういう格好をしていたんだ。」という貴重な記録にもなるでしょう。まさに時代性を捉えられた最高の一枚ですね。
大自然の中で健全な農作物が収穫できる時代がいつまでも続くことを心から願うのでした。

高崎勉 講評

「どういう状況で、どこから撮ったんだろう?」っていう不思議さも手伝って、面白い仕上がりになっています。
まず、構図がいいですね。手前の部分に茶色い土の部分があり、その上に緑が広がっている。似たような背丈の子供たちがその境界線に一直線に並んで、ほとんどの子が左端の子が手にしている大根に気を取られているのに、一人の少女が絶叫して何かを訴えている。
シャッターを切ったタイミングもいいですね。良くぞ撮った!という一枚です。一体何が起きたんだろう?それがタイトルになっていてもよかったかもしれませんね。帽子を被っていないおかげでこの子の表情もよく伝わってきます。

子供たちが着ている体操着は現代の僕らには普通に見えますが、数十年してこの写真を見たら、「平成ってこういう格好をしていたんだ。」という貴重な記録にもなるでしょう。まさに時代性を捉えられた最高の一枚ですね。
大自然の中で健全な農作物が収穫できる時代がいつまでも続くことを心から願うのでした。

大高 直敏
「平成に育っている子」

大高 直敏
「平成に育っている子」

高崎勉 講評

春の清々しさと、お子さんのハツラツとした様子が相まって心地よいですね。
女の子の走っている足の状態がいい瞬間を捉えています。そして犬の疾走感がとても上手く撮れていますね。また、それぞれの表情が楽しそうで最高です。
いつもの散歩道なのでしょうか?慣れ親しんだ場所も時が経つと少しずつ変化します。平成時代の良い季節を撮った1枚であり、ご家族にとってもかけがえのない家族写真ですね。
勝手な提案ですが、このシーンを数年おきに撮っていけたら良いですね。走らなくてもいいので。成長するにつれて近づいてくるように並べると面白いかもしれません。
そんなことを考えているとお子さんの成長した姿が目に浮かんできます。

高崎勉 講評

春の清々しさと、お子さんのハツラツとした様子が相まって心地よいですね。
女の子の走っている足の状態がいい瞬間を捉えています。そして犬の疾走感がとても上手く撮れていますね。また、それぞれの表情が楽しそうで最高です。
いつもの散歩道なのでしょうか?慣れ親しんだ場所も時が経つと少しずつ変化します。平成時代の良い季節を撮った1枚であり、ご家族にとってもかけがえのない家族写真ですね。
勝手な提案ですが、このシーンを数年おきに撮っていけたら良いですね。走らなくてもいいので。成長するにつれて近づいてくるように並べると面白いかもしれません。
そんなことを考えているとお子さんの成長した姿が目に浮かんできます。

滝田 敦
「成長の記録」

滝田 敦
「成長の記録」

高崎勉 講評

東京タワーが昭和の象徴だとすると、スカイツリーは平成のシンボルかもしれません。
まさに「成長の記録」ですね。
実はもう1点、完成後の夜景の写真を含んだ5枚組だったのですが、掲載は4点に絞らせていただきました。
きっと、もっとたくさんお撮りになっておられるのでしょうね。。組写真はテーマに沿った選び方が重要になってきます。晴れた日に絞って選んだのは比較対象の軸がブレませんから正解でしょう。
雨の日のショットや現場で働く人たちの姿が映ったものも構成して30点くらいになれば見事な写真集になりそうです。
私が最も好きな1枚は二番目の作品です。
ここにたくさん並んでいる看板も時代を反映した被写体です。もう少し下が入って、道行く車も写っていてもよかったでしょう。そうすると時代性がさらに感じられたかもしれません。

高崎勉 講評

東京タワーが昭和の象徴だとすると、スカイツリーは平成のシンボルかもしれません。
まさに「成長の記録」ですね。
実はもう1点、完成後の夜景の写真を含んだ5枚組だったのですが、掲載は4点に絞らせていただきました。
きっと、もっとたくさんお撮りになっておられるのでしょうね。。組写真はテーマに沿った選び方が重要になってきます。晴れた日に絞って選んだのは比較対象の軸がブレませんから正解でしょう。
雨の日のショットや現場で働く人たちの姿が映ったものも構成して30点くらいになれば見事な写真集になりそうです。
私が最も好きな1枚は二番目の作品です。
ここにたくさん並んでいる看板も時代を反映した被写体です。もう少し下が入って、道行く車も写っていてもよかったでしょう。そうすると時代性がさらに感じられたかもしれません。

稲垣 寿美子
「優しさに包まれて」

稲垣 寿美子
「優しさに包まれて」

高崎勉 講評

派手でもなく、奇をてらうでもなく、美しいと感じたものを素直な心で捉えた作品です。「SNS栄え」「フォトジェニック」と誰もが言葉にして、目立つことばかり意識した画像で溢れるのも現代の特徴ですが、そろそろ華やかさだけの写真に疲れてきた方も多いのではないでしょうか。このようなひっそりとした美しさは、穏やかな気持ちにさせてくれます。
花の佇まいと、柔らかい光の調和が秀逸です。
クローズアップ写真は1点ピントになりがちですが、ボケ方もちょうどいい感じです。
撮影者の優しさが伝わってくる、そんな1枚ですね。

高崎勉 講評

派手でもなく、奇をてらうでもなく、美しいと感じたものを素直な心で捉えた作品です。「SNS栄え」「フォトジェニック」と誰もが言葉にして、目立つことばかり意識した画像で溢れるのも現代の特徴ですが、そろそろ華やかさだけの写真に疲れてきた方も多いのではないでしょうか。このようなひっそりとした美しさは、穏やかな気持ちにさせてくれます。
花の佇まいと、柔らかい光の調和が秀逸です。
クローズアップ写真は1点ピントになりがちですが、ボケ方もちょうどいい感じです。
撮影者の優しさが伝わってくる、そんな1枚ですね。

山本 澄夫
「風・音・光」

山本 澄夫
「風・音・光」

高崎勉 講評

滝から流れる川に差し込む光のカーテンが、新緑の中に眩しく輝く美しい作品です。
滝の音だけでなく、目に見えない動物、昆虫の息づかいさえ聞こえてきそうな奥行き感のある作品です。少し残念なのは画面右の山肌に強い光が当たっているために画面全体を見ると目線が散ってしまうことです。右側を少しだけトリミングするとさらに良くなったでしょうね。
この光景にカメラを持って居られたことが羨ましいです。

高崎勉 講評

滝から流れる川に差し込む光のカーテンが、新緑の中に眩しく輝く美しい作品です。
滝の音だけでなく、目に見えない動物、昆虫の息づかいさえ聞こえてきそうな奥行き感のある作品です。少し残念なのは画面右の山肌に強い光が当たっているために画面全体を見ると目線が散ってしまうことです。右側を少しだけトリミングするとさらに良くなったでしょうね。
この光景にカメラを持って居られたことが羨ましいです。

高崎先生と松下先生による審査の様子。
今回はすべての作品に講評をつけることで、根拠のある審査結果になっていると思います。

高崎先生と松下先生による審査の様子。
今回はすべての作品に講評をつけることで、根拠のある審査結果になっていると思います。

審査員

審査委員長
高崎勉(写真家、一眼レフカメラ上達講座講師)

審査員

審査委員長
高崎勉(写真家、一眼レフカメラ上達講座講師)

1967年富山市生まれ。1987年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。
アマナコーポレーションにてフォトグラファーとして12年間の勤務を経て、1999年高崎写真事務所設立。
以降、広告撮影と並行しアーティストとして作品制作にも意欲的に活動。2011年から定期的に作品を発表。
同年、初の個展となる「Breath.」展開催。

「毎日広告デザイン賞発言広告の部最高賞」はじめ数多くの受賞歴を持つとともに、幅広い雑誌・書籍等で写真作品が掲載されている。最近ではアート作品が広告として使われる場面が増えている。
2013年に発足したJapanPhotoGlobe(日本の写真文化を海外へプロジェクト)に参画。自身の作品に留まらず写真家の写真展、写真集のディレクションを手がける。2014年、写真講座「TakasakiSeminar」開講。
コマーシャルゼミ(A-side)ではプロカメラマンに向けて「商品を売る写真」をテーマにクリエイターを育成。
アートフォトゼミ(B-side)ではアマチュアからアーティストまで幅広い層に指導。NPO法人「16歳からの仕事塾」の依頼を受け、中学生、高校生に向け講演・ワークショップを開催。また大学の研究機関から学会提出のための実験記録撮影を依頼されるなど、研究の現場にも積極的に参加。

・「日本の写真文化を海外へプロジェクト」ディレクター
・一般社団法人日本写真学会会員

【受賞歴】
・第65回毎日広告デザイン賞発言広告の部最高賞受賞
・日本広告写真家協会(APA)’06広告部門及び写真部門入選
・87th N.Y.ADC Graphic Design:Poster部門入賞
・消費者のためになった広告コンクール2012雑誌部門金賞他受賞多数。

1967年富山市生まれ。1987年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。
アマナコーポレーションにてフォトグラファーとして12年間の勤務を経て、1999年高崎写真事務所設立。
以降、広告撮影と並行しアーティストとして作品制作にも意欲的に活動。2011年から定期的に作品を発表。
同年、初の個展となる「Breath.」展開催。

「毎日広告デザイン賞発言広告の部最高賞」はじめ数多くの受賞歴を持つとともに、幅広い雑誌・書籍等で写真作品が掲載されている。最近ではアート作品が広告として使われる場面が増えている。
2013年に発足したJapanPhotoGlobe(日本の写真文化を海外へプロジェクト)に参画。自身の作品に留まらず写真家の写真展、写真集のディレクションを手がける。2014年、写真講座「TakasakiSeminar」開講。
コマーシャルゼミ(A-side)ではプロカメラマンに向けて「商品を売る写真」をテーマにクリエイターを育成。
アートフォトゼミ(B-side)ではアマチュアからアーティストまで幅広い層に指導。NPO法人「16歳からの仕事塾」の依頼を受け、中学生、高校生に向け講演・ワークショップを開催。また大学の研究機関から学会提出のための実験記録撮影を依頼されるなど、研究の現場にも積極的に参加。

・「日本の写真文化を海外へプロジェクト」ディレクター
・一般社団法人日本写真学会会員

【受賞歴】
・第65回毎日広告デザイン賞発言広告の部最高賞受賞
・日本広告写真家協会(APA)’06広告部門及び写真部門入選
・87th N.Y.ADC Graphic Design:Poster部門入賞
・消費者のためになった広告コンクール2012雑誌部門金賞他受賞多数。

審査員
・松下龍士(写真家、作家)

審査員
・松下龍士(写真家、作家)

1964年東京生まれ。  
IT Engineerをしながら、作家活動、講師活動をしているArtist。
Charles Robert Darwin、長谷川真理子らに哲学的影響を受け、Michael Kenna、Robert Mapplethorpeらに写真家として影響を受け、テラウチマサト、神島美明、高崎勉らから直接指導を受けた。  
人類が美を認知する知性を獲得したのは、36億年間生存競争をして進化した結果だと私は考えている。
これは人が安全を感じたり他者に共感したりする能力の拡張だと私は考えるに至っている。  
これらから「くうをみる」「世界の始まり」「宙と墨」という作品シリーズを制作してきた。
人に「美」という概念が存在する理由を追い続けて作品を発表していこうと思っている。

1964年東京生まれ。  
IT Engineerをしながら、作家活動、講師活動をしているArtist。
Charles Robert Darwin、長谷川真理子らに哲学的影響を受け、Michael Kenna、Robert Mapplethorpeらに写真家として影響を受け、テラウチマサト、神島美明、高崎勉らから直接指導を受けた。  
人類が美を認知する知性を獲得したのは、36億年間生存競争をして進化した結果だと私は考えている。
これは人が安全を感じたり他者に共感したりする能力の拡張だと私は考えるに至っている。  
これらから「くうをみる」「世界の始まり」「宙と墨」という作品シリーズを制作してきた。
人に「美」という概念が存在する理由を追い続けて作品を発表していこうと思っている。

カード型旅行券「JTBトラベルギフト」をプレゼントいたします。
金額は受賞された賞に応じた金額となります。
カードには受賞作品をプリントいたします。思い出の品としてぜひお受け取りください。

カード型旅行券「JTBトラベルギフト」をプレゼントいたします。
金額は受賞された賞に応じた金額となります。
カードには受賞作品をプリントいたします。思い出の品としてぜひお受け取りください。

審査を終えて

このグッドアピール杯はすべての応募作品に対して審査員からの講評文が返送されるという、国内では稀なコンテストです。

上位入賞を目指すことは、ご自身のレベルアップにつながるチャレンジですが、何よりも「他者に作品を見てもらい、意見を述べてもらう」ことを、たくさんの方に体験していただくことが一番の狙いです。

各自に送られる講評文はかなり辛口に書いています。でも、落ち込むことはありません。自分の作品の何が良くて何が至らなかったのかを知るための、コミュニケーションの扉が開かれたことこそが素晴らしいことなのです。

さらなるステップアップの秘訣は、楽しんで創作活動を続けることだと思います。
新しい時代に、あなたはどんな写真を撮っていかれるのでしょうか?
次回のコンテストでお目にかかれることを楽しみにしています!